米暗号資産取引大手Coinbase（コインベース）は12月22日、サンフランシスコに拠点を置く予測市場スタートアップ企業、The Clearing Companyの買収で合意したと発表した。取引は来年1月に完了する見込みで、取引額は公開されていない。
The Clearing Companyは、大手予測市場プラットフォームのKalshi（カルシ）とPolymarket（ポリマーケット）で勤務した経験を持つToni Gemayel（トニ・ジェマイエル）氏が創業した企業。その他に、カルシの元最高コンプライアンス責任者や、ポリマーケットの元エンジニアなどで構成されている。
The Clearing Companyは、独自のWebサイトやアプリを構築するのではなく、賭けを処理するための基盤となるシステムの提供に注力することで、競合との差別化を図っている。同社は今年8月に1500万ドル（約23億4000万円、1ドル156円換算）の資金を調達し、Coinbase Ventures（コインベース・ベンチャーズ）も出資していた。
「Everything Exchange」の構築
コインベースは、暗号資産やデリバティブ、株式などのあらゆる資産クラスを取引できる統合プラットフォーム「Everything Exchange」を構築するビジョンを掲げている。
予測市場の提供はこのビジョンの一部だとしており、コインベースは先週、カルシとの提携を通じて、政治や経済指標、スポーツなど現実世界のイベントの結果に賭けられる機能を導入した。
コインベースは、今回の買収によって、予測市場で用いられるイベント契約を安全かつ効率的に処理するための専門知識と技術基盤が加わるとし、予測市場事業の強化・拡大に加え、「Everything Exchange」を目指すロードマップが加速するとしている。
｜文・編集：廣瀬優香
｜画像：Shutterstock
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