野村ホールディングスの株価が2月2日の東京市場で大幅に下落した。「ブルームバーグ(Bloomberg)」が同日報じたところによると、株価は一時前週末比6.7%安と、約9カ月ぶりの大きな下げ幅を記録した。国内同業の大和証券グループ本社も4%超下落した。
野村ホールディングスが1月31日に発表した2025年度第3四半期決算では、純利益が前年同期比9.7%減の916億円となり、市場予想を下回った。富裕層向けビジネスや株式トレーディングの収益は堅調だったものの、暗号資産関連事業での損失が全体の利益を押し下げた。最大600億円、発行済み株式の約3.2%に相当する自社株買いの発表も、投資家心理の改善にはつながらなかったと見られている。
ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリストは、暗号資産市場の不安定さが株価下落を加速させたとの見方を示した。アジア全域で株価が下落する中、貴金属価格は週明けから乱高下し、週末にはビットコイン価格が一時8万ドル(約1,243万円)を割り込む場面もあり、リスク資産全体への警戒感が強まっていた。
野村ホールディングスのCEOである岡田健太郎氏は、前年に記録的な利益を達成した勢いを維持し、市場変動と投資ブームを追い風に成長を続ける方針だ。ただ、今回の決算では、マッコーリー・グループからの資産運用会社買収に伴う一時費用や、報酬制度変更に関連するコストも利益の重荷となった。これらの一部は今四半期にも計上される見通しだ。
また、暗号資産事業の損失を受け、同社はリスク管理体制の強化に乗り出している。野村ホールディングスの最高財務責任者(CFO)である森内博之氏は1月30日のテレフォンカンファレンスにて、12月31日までの四半期に損失を計上したスイス拠点のデジタル資産子会社レーザーデジタルホールディングスについて、リスクエクスポージャーの削減を検討していると述べている。
森内氏は、暗号資産市場の混乱により同子会社が打撃を受けたとした一方、今後数カ月間は厳格なポジション管理を通じて事業の安定性を維持していく考えを示した。また、野村の暗号資産への取り組みに大きな方針転換はなく、スイスを拠点とする同子会社については、中長期的な成長を視野に入れていると付け加えた。
海外事業は税引き前利益で163億円と10四半期連続の黒字を確保したものの、欧州での暗号資産関連損失が響き、前年同期比では約7割の減益となったとのことだ。
参考:質疑応答要旨・決済説明資料・報道1・報道2
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