ソーシャルメディア「X」のプロダクト責任者であるニキータ・ビア(Nikita Bier)氏が、投稿内のティッカーから株式や暗号資産(仮想通貨)の価格情報を確認できる新機能「スマート・キャッシュタグス(Smart Cashtags)」を、数週間以内に導入すると2月14日に発表した。
スマート・キャッシュタグスは、従来の「$BTC」「$NVDA」といったキャッシュタグの拡張機能で、投稿時に特定の資産やスマートコントラクトが指定できる。ユーザーはタイムライン上でタグをタップすることで、対象資産のリアルタイム価格や、関連する投稿を確認可能になるという。
ビア氏は、スマート・キャッシュタグスについて、Xが取引の執行やブローカー業務を担うものではないと強調している。また、同氏は「Xは取引を処理せず、金融データと外部サービスへのリンクを提供するにとどまる」と説明しており、売買行為そのものはプラットフォーム外で行われる想定だとしている。
ビア氏は1月11日の投稿で、Xを金融ニュースの主要な情報源と位置付け、ここで読まれた情報をもとに巨額の資金が動いていると述べていた。スマート・キャッシュタグスは、こうした金融情報の流通を、より正確かつ即時的に行うための機能として導入される。
スマート・キャッシュタグスでは、オンチェーン上で発行された暗号資産についても、リアルタイムの価格表示に対応するとされている。これにより、中央集権型取引所に上場していない比較的小規模なトークンも、株式と同様にタイムライン上で参照される可能性がある。
一方でXは、暗号資産関連のスパムや自動化アプリへの対応も同時に進める姿勢を示している。ビア氏は、経済的インセンティブを通じてスパム投稿や嫌がらせを助長するアプリケーションについて、否定的な見解を示した。
また、Xの開発者プラットフォーム責任者であるクリストファー・パーク(Christopher Park)氏も、スクレイピングやAPIを用いた自動投稿、エンゲージメント稼ぎを目的としたボットについては、検知と評価を強化すると説明している。パーク氏は、プラットフォームの健全性を理由に、これまで公式APIの制限を行ってきた経緯にも言及した。
スマート・キャッシュタグスは、既存のキャッシュタグ文化を拡張しつつ、金融情報へのアクセス性を高める取り組みといえる。一方でXは、取引や自動化された経済行為については、自社プラットフォームの外に委ねる姿勢を明確にしている。
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